熱波と健康に関わる断熱材の冷却効果

By Jordan Sargeant
2018年09月 06日

世界中で、長く暑い夏が続いています。何千万人もの人々にとって、住宅や職場での非常に暑い室内温度にどのように対応していくかが課題となっています。

当社がお助けします。断熱材は、伝統的に寒い時、室内を暖かく保つことができると多くの人は考えるでしょう。しかしながら、夏の気温の上昇が深刻な問題になりつつある地域では、断熱材は建物をより涼しく保つ重要な役割を果たすことが可能です。

『断熱材には熱の伝達を制御する優れた特徴があり、高い断熱性能を備えた住宅は、冬暖かく、夏は壁や屋根からの照射による室内気温の上昇にかかる時間を伸ばします。』と弊社英国のプログラム・製品開発マネージャーのStephen Wiseは話します。

酷暑の夏の間、居心地の良い室内空間であることは、居住者がお年寄りや赤ちゃん、心臓病、腎臓病、呼吸器系の病気をお持ちである場合に、非常に重要となってきます。

今年、日本・東京では夏の間の最高気温が過去最高となったために、推定125人もの方が亡くなったといわれています。一方、北米では、この熱波によって今までのどの自然災害よりも多くの死者が出たと全国気象サービスは述べています。

ますます政府は、夏季の健康住宅の重要性の認識を深めています。例として記録的な酷暑を経験した英国では、国自体で断熱対策に取り組まないと、2050年までに熱波による死者が3倍にまで増える可能性があると国会議員が発言しました。

英国の住宅5軒につき1軒は異常気象により危険な暑さにまで上昇するといわれ、国会議員は、『住宅が極度の暑さに対処可能であることを明確にし、都市には緑地や耐熱基盤を備える』規制を求めました。

『夏の熱波は、気候変動の結果としてますます一般的になってきています。私たちの暮らす世界の将来を証明するためには、都市基盤へのアプローチ方法を考え直すことが不可欠です』と当社External Affairs DirectorSîan Hughesは話します。

都市温度を下げるということは、空調を稼働し排出物の放出を行うことや、エネルギー使用の増加、熱風を送り出すことではありません。断熱材の施工や屋上緑化を導入することで、建物自体を冷却し、エネルギー集約型冷却の需要を削減していくことです。

弊社のUrbanscape®ソリューションのような屋上緑化は、都市の気温を下げることに役立ちます。それらは屋根の植生からの水の蒸発によって冷房に使われるエネルギー消費を減らし、都市温度を下げます。

都市部への屋上緑化の需要がますます高くなっています。例えば、シンガポールでは、法律により建設に使用されるどの土地も、緑化政策として都市緑化エリアと同等に補償されています。一方、2010年以降コペンハーゲンでは屋上緑化が地域計画にて義務付けられています。

『世界中で温暖化が進むにつれて、エアコンの需要は2050年までに3倍にも膨れ上がると予想されている。』とSianは言います。『建物のエネルギー使用量をほぼゼロにすることで、この急増する需要を見込む必要があります。より快適な空間になるだけでなく、気候変動の原因を低減することにも大きく貢献します。

クナウフ・インシュレーションでは、街全体を優れた断熱性とエネルギー効率にするために必要なことを実際に取り組んでいます。地域社会への取り組みの一環として、記録的な暑さ49.9度まで上昇したオーストラリアの孤立した街・バーズビルの建物に断熱材の施工を行いました。

アジア太平洋地域のマネージングディレクターであるStuart Dunbarは次のように述べています。『施工は大成功であり、断熱施工を行った建物の平均エネルギー費用が20%以上の削減を実現しました。費用は1つの要因であり、最も重要な変化は居住者の快適レベルが非常に向上したことです。そして、バースビルの夏真っ盛りでも快適住宅は、健康的な住宅でもあります。』

ますます温暖化が進む中、このような小さな街の取り組みから学ぶべきことがたくさんあります。